因島医師会病院
〒722-2211 広島県尾道市因島中庄町1962 TEL.0845-24-1210 FAX.0845-24-3466 
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言語聴覚療法

言語聴覚士

言語聴覚士

言語聴覚士」とは、言葉によるコミュニケーションや、 聞こえ、飲み込むことが難しくなった方々に対して、必要なサービスを提供し、よりよい社会生活を送ることができるように支援する専門職です。

言語訓練

言語訓練

脳損傷が原因の失語症や構音障害、声の出ない音声障害などコミュニケーションに障害をもった患者様に対し、 検査、評価を実施し、その方にあった訓練を個室にてマンツーマンで行います。
 
言葉や発達の遅れのある子どもたち、人との関わりを上手くとれない自閉症の子どもたちも対象となります。
 
また、「さ」の音が「ちゃ」なるなどの発達途中の音の誤りを学習する「発音の練習」も行っています。

摂食・嚥下障害

摂食・嚥下障害

摂食嚥下障害とは、摂取した食べ物を、口から胃や腸などの消化管へ送り込む一連の流れが、困難な状態をいいます。

摂食嚥下障害の原因は、脳血管障害( 脳梗塞・脳出血など) による麻痺や、神経・筋疾患、加齢による筋力の低下などで、 摂食嚥下障害により、誤嚥性肺炎や窒息、低栄養や脱水などのリスクが高まります。

これらのリスクは、生命の危険に直結しています。

また、食べることの障害は、食べる楽しみを失うという、生活の質にも関わる問題です。

当院では、飲み込みや食べることが困難になった患者様に、嚥下内視鏡検査や嚥下造影検査を行い(年間200件程度実施)、 検査結果の評価に基づいて、その患者様にあった食事形態(メニューや調理方法等)や食事の際の体位などを決め、 食べる訓練(直接訓練)を行っています。

 

また、舌圧と摂食・嚥下機能の関連に着目し、舌圧測定器と舌訓練器具を使用し、舌を鍛え、 舌圧値を高める訓練(舌トレーニング)、昼食前の嚥下体操などの訓練(間接訓練)も行っています。

舌を鍛える訓練(舌トレーニング)について

舌圧とは

「舌圧」とは、舌が口蓋を押し付ける力で、舌の筋力を表すものです。

 

『最大舌圧値が高いほど、食事中にムセることが少ない傾向がある』という報告がなされており、 『摂食嚥下機能が良い人ほど最大舌圧値が高い』とも言われています。


最大押しつけ力を
「舌圧」として測定します

私たち因島医師会病院の言語聴覚療法スタッフの研究でも、『舌の機能訓練によって最大舌圧値が上昇すれば、 飲み込みがよくなる』ことがわかっています。

 

2012年以来、当院のリハビリ科では、『舌圧測定器』と『舌トレーニング用具』を用いた研究と治療(リハビリ)を継続しています。

その結果、最大舌圧値が向上し、摂食嚥下機能が改善した患者様が多数いらっしゃいます。

 
《当院言語聴覚士による学会発表》
2012年「最大舌圧値と嚥下機能の関連」
2013年「舌機能向上に向けた等尺性訓練・等張性訓練の効果」
「特定高齢者に対する口腔機能向上プログラム訓練効果の検証」
2014年「舌の筋力・持久力の強化に対する有効なトレーニング法について」
2015年「特定高齢者における『ペコぱんだ』を用いた舌背挙上運動の有用性について」
 


第17回・18回共催 日本摂食・嚥下リハビリテーション学術学会で当院発表:2012
 
 

舌トレーニングの実際

舌を鍛え、舌圧値を高めることで、摂食・嚥下機能の維持・改善を図ります。

舌トレーニングには『舌圧測定器』と『舌トレーニング用具』を使用します。

舌圧測定器(JMS社・JMS舌圧測定器) 舌トレーニング用具(JMS社・ペコぱんだ)
舌圧計 ペコぱんだ
5kPa 10kPa 15kPa 20kPa 30kPa

まず、舌圧測定器を使って、最大舌圧値を測定します。

舌トレーニング用具『ペコぱんだ』の硬度は5種類あり、測定値に合わせて、適切な硬度の『ペコぱんだ』を選択します。

『ペコぱんだ』は、日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック 菊谷武先生の監修により開発された舌トレーニング用具で、 私たち因島医師会病院の言語聴覚療法スタッフもその開発に関わっています。

また、当院言語聴覚療法スタッフの研究成果を反映した、『ペコぱんだ』を使用した独自の訓練方法を考案し、 実際に、舌トレーニングを行っています。

 
 

『ペコぱんだ』を使った舌トレーニングの方法

当院言語聴覚療法スタッフが考案した、『ペコぱんだ』を使用した独自の訓練方法(因島医師会病院方式)を紹介します。

「舌トレーニング方法の使い分けの目安」に従って、3種類の訓練方法から、状態に応じた訓練方法を選び、適切な回数を行います。

舌トレーニング方法の使い分けの目安
訓練方法 導入
順序
最大
舌圧
重症度 DSS※ 対象患者
負荷の弱い
等張性運動
1 重度 1〜 パーキンソン、
認知症、
全対象の導入など
負荷の強い
等尺性運動
2 20kPa 中等度 2〜 指示理解が可能な嚥下障害者など
負荷の強い
等張性運動
新等張性訓練
3 軽度 3〜 軽度の嚥下障害があるか、
予防目的の要支援高齢者、
特定高齢者など
※DSS:摂食・嚥下障害重症度分類(Dysphagia Severity Scale)
 

『ペコぱんだ』を舌の上に乗せ、舌を使って、突起部が凹むまで押し上げます。

「負荷の弱い等張性訓練」
嚥下時舌圧を上回り、かつ近い硬度の『ペコぱんだ』を選択し、2秒間に1回程度の速度で、 舌背挙上運動を10回行う運動を数セット行う(セット間のレストは30秒)。
「負荷の強い等尺性訓練群」
最大舌圧の60%以上相当の硬度の『ペコぱんだ』を選択し、同器具を舌背に乗せ、口蓋に向かって突起部が凹むまで力を入れ、 最大限の力で3秒間持続する運動を20セット行う(セット間のレストは30秒)。
「負荷の強い等張性訓練(新等張性訓練)」
最大舌圧の60%以上相当の硬度の『ペコぱんだ』を選択し、可能な限りの速度で舌背挙上運動を 1分間で出来るだけ多く行う運動を8セット行う(セット間のレストは30秒)。
 

※自分にあった訓練方法・回数で行います。

上記の3種類の方法を上から順に行っても構いません。





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